対談4:シックハウス症候群について
− ハウスメーカー徹底比較編集部(以下:編):日本の住環境において、湿気対策をきちんとしなければならないというお話をしていただきましたが、日本の住環境において、理想的な家はどのようなものだとお考えですか?
建築家O氏(以下:O氏):まず第一に、断熱をしっかりと施す必要があるでしょうね。
しっかりとした、断熱を施すことで、夏場は涼しく、冬は暖かい住環境を手に入れることができます。
また、音の問題も深刻です。
現在の家は、室外の騒音はもちろん、内部で音が反響しやすいつくりになっていますから、間取りや素材に変化を加えることで、防音や吸音性を高める必要があります。
あとは、先ほどお話した、調湿性能を高める工夫もしなければなりません。
ビニールクロスもいいですが、クロスは静電気を起こしますので、埃が溜まりやすくなってしまいます。
また、調湿性もないため、日本の住環境ではあまり好ましくありません。あとは、防火性に優れ、防虫性にも優れていることが大事だと思います。
− 編:本当にいい家を建てるためには、様々なことを検討する必要がありますね。
O氏:一番は、日本人が住まいに対して、もっと関心を持つことだと思います。
使われている素材にしてもそうですし、工法や構造など、広い意味で住宅というものに対しての理解を深めることが大事だと思います。
一般的に、そうした考え方が普及すれば、大手ハウスメーカーはもちろん、大手の建材メーカーは違う方法を検討せざるを得なくなりますから、やはり、一般の方が、住宅に関してもっと深く興味を持つことが大事だと思います。
今の流れは、安かろう、悪かろうに走って行ってしまっているように感じますから、本当にいい家を建てるためには、良いものを使って、しっかりとした家を建てる、という意識改革が、まずは必要なのではないかと思います。
− 編:シックハウスに関しての考え方は広まりつつあるように思います。
O氏:シックハウスは工業化を推し進めたことと、気密性を高くした結果、生じた問題です。
家にいるとめまい、吐き気、頭痛などに襲われることを、シックハウス症候群と言いますが、現在も厚生労働省で規制を設けています。
ただ、この規制にも問題はないとは言い切れません。
− 編:厚生労働省の定める規制に問題があると。
O氏:あまり知られていないですが、無規制の化学物質が多いからです。
特に有害な物質については、規制が設けられていますが、家づくりの現場で使われる、人体に有害な化学物質はわかっているだけで「13種類」あると言われており、禁止や制限を設けているのは、ホルムアルデヒドとクロルピルホスの2種類だけなんです。
他の化学物質については、指針値こそ設けているものの、無規制にとどまっています。
人体に影響がある化学物質は、家づくりの現場で使われる接着剤や防腐剤、塗料、糊、殺虫剤、防蟻材など様々なものに含まれています。
一番は使わないことが大事なんですが、いろいろな事情があるので、ゼロにすることはできず、現在は換気対策を施すことで、室内環境をきれいに保つという対策が、どこのハウスメーカーでも行われています。
敏感な人は、症状が現れることもあるようですが、一般的な方がお住まいになるには、問題はない範囲にとどまっていると思うので、安心してくださればと思います。
− 編:少し怖い話だったので安心しました。
O氏:どこの業界もそうでしょうが、はじめにも申し上げましたが、住宅業界は、特に様々な事情が複雑に絡み合っている業界なんです。
だからこそ、家を建てる側がしっかりとした建築に対する知識と、住宅に対する理解を深める必要があるのではないかと、私は考えています。
「ハウスメーカー徹底比較」さんは、そうしたメリットやデメリットを含めて、きちんとした情報を提供し、さらに、住宅に関する知識や理解を深めるための、啓蒙活動をされているようですので、その思いに共感し、今回お話をさせていただきました。
− 編:ありがとうございます。
最後、まとまりましたね(笑)
O氏:はい。まとめさせていただきました(笑)
家づくりをされる方は、こうした参考になるサイトを利用して、比較しながら理解を深め、ぜひ理想となる家づくりをされてください。
・比較検討おすすめサービス
・「カタログ請求」から「見積もり依頼」まで一括して行い比較検討する
・「デザイン」や「予算」などからカタログを請求して比較検討する
・プロのアドバイザーに相談して住宅会社を紹介してもらい比較検討する
失敗しない住宅会社の選び方
注文住宅では、家づくりを成功する人、家づくりを失敗する人の差がはっきりと分かれます。なぜ、はっきりと別れるのか?その答えはこちらにあります。下記の記事では、家づくりで失敗しない住宅会社選びの方法をお伝えしています。
2 件のコメント