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対談2:外壁材とサイディング

2019/03/26

− ハウスメーカーてって比較編集部(以下:編):よく、ハウスメーカーを代表とした住宅会社のホームページを見ていると「メンテナンスフリーの外壁材」といった、謳い文句がありますが、本当にメンテナンスフリーの外壁材はあり得るのでしょうか?

私の感覚からすると、外壁材でメンテナンスフリーはあり得ないのではないかと感じています。

 

建築家O氏(以下O氏):鋭いご指摘だと思います。

あくまで、私の私見となりますが、完全にメンテナンスフリーの外壁材は、ほとんど存在しないと思います。

日本の住環境で使われる外壁材でいうと、もうこれは100パーセントといっても、いいくらいだと思います。

 

− 編:100パーセント・・・ではなぜどこの住宅会社もメンテナンスフリーを歌っているのでしょう。

 

O氏:確かに、外壁材だけで見れば、メンテナンスフリーに近いものも存在します。

ただ、現在の日本で新築される家の8割以上に、サイディングと言われる外壁材が使われています。

8割という数字が示す通り、日本で新築されるほとんどの家で、サイディングが使われていることになります。

一言で、サイディングといっても、素材も様々で、窯業系、金属系、樹脂系などがありますが、サイディングのメリットは施工のしやすさ、大量生産のしやすさにあるといって、いいと思います。

これは戦後、日本が豊かになり、持ち家が欲しい方が増え、住宅を大量に供給する必要が出てきた、という時代背景があります。

日本では、ハウスメーカーが幅を利かせていますが、世界的に見てみると、日本のハウスメーカーのような形をとっている国は珍しく、ほとんど存在しません。

 

編:ハウスメーカーは日本以外にはないのですか?

 

O氏:一部の国で存在する程度です。

現代の日本で生きる私たちにとっては、ハウスメーカーの存在は家を建てる上で、当たり前のようなものにうつりますが、日本のような形態は、世界的に見て非常に珍しいのです。

日本でいう、工務店のような小さな会社が運営して、家を建てているという方が世界的には一般的です。

 

− 編:知りませんでした。

 

O氏:日本のハウスメーカーが建てる住宅は、工場生産で大量供給が可能なプレハブ住宅ですが、このような住宅は海外ではほとんど聞きません。

実際、輸出大国の日本であっても、住宅を輸出しているという話は、聞かないでしょう?

 

− 編:確にこれだけグローバル化が進んでいる時代でありながら、日本のハウスメーカーが海外で人気がある・・・という話は全くといって聞かないですね。

 

O氏:日本のハウスメーカーが建てる家の質が、良いか悪いかは別として、そこには、やはり海外に輸出することができない理由があるんですね。

そのあたりの事情は話すと長くなるので、また別の機会にするとして・・・話を戻しますが、とにかくメンテナンスフリーの外壁は本来はあり得ないんです。

 

− 編:ではなぜ、ハウスメーカーは堂々とメンテナンスフリーと言えるのですか?

 

O氏:多分、どこも、注意書きで書いてありますよ。

外壁材として使われるサイディングには、メンテナンスフリーに近い素材もありますが、サイディングをつなぎ合わせるためのコーキングにはメンテナンスが必要ですよ、と。

 

− 編:コーキングとは接着剤のことですよね?

 

O氏:サイディングをただ貼り付けた状態のままでは、雨が建物の内部に侵入してしまうので、サイディングを隙間なく、つなぎ合わせるために、弾力性のあるコーキング剤が必要となります。

ただ、このコーキング剤は、もともとは弾力性がありますが、およそ5年程度で、硬化してしまい、ひび割れを起こしたり、切れてしまったりします。

コーキングが切れてしまった場合、雨が切れた部分から建物内部に侵入してしまいますので、放っておくと柱、梁、断熱材などに雨が到達し、腐食させ、住宅の寿命を、著しく短くします。

そのため、コーキング剤の劣化からくる雨水の侵入を防ぐためには、定期点検が必要となります。

さらに、サイディングによっては、表面の塗装が落ちると、性能を発揮できないタイプのものもあり、そうした場合は、定期的な塗り替えが必要となります。

つまり、メンテナンスをする必要があります。

 

− 編:つまり、基本的にはメンテナンスフリーですけれども、傷んでいる箇所は修正する必要があるよということでしょうか。

 

O氏:そうなるでしょうね。

ハウスメーカーを含む、住宅会社の営業マンの中には堂々と「うちはメンテナンスフリーの外壁を使っていますから、メンテナンスをする必要がありません」という方もいますが、私はそういった人は、とてもじゃないですが信用できませんね。

 

− 編:外壁の塗り替えは、どの程度の期間で必要になるのでしょうか?

 

O氏:素材にもよりますが、だいたい10年が相場ではないでしょうか。

もちろん、どのような地域にお住まいになられるのかによって、耐久性は大きく変わってきますので、一概に言うことはできません。

外気の影響を受けやすい地域にお住まいの方は、住宅の寿命を伸ばすためにも、もっと頻繁に外壁の塗り替えを行い、防水処理を施すことが、必要になるケースもあります。

ちなみに、こうしたことは、ハウスメーカー側はもちろん把握しています。

 

− 編:把握した上で販売していると。

 

O氏:もちろん解決策を模索しているかとは思いますが、しっかりと把握しています。

なぜ、そのようなことが、はっきりと言えるのかと言うと、住宅瑕疵担保履行法というのがあり、住宅性能に関わる部分では、国土交通省の定める、住宅の品質確保の促進等に関する法律で、瑕疵担保責任として10年間の保証を義務付けていますが、外壁材や、コーキング剤は保証対象外となっていることからわかります。

 

− 編:つまりわかっていてやっていると。

 

O氏:残念ながら現状はそうです。

ですから、そうしたことを、家を建てる側がしっかりと把握してから依頼しないと、後で問題が起こってくるのです。

法律は、ハウスメーカーに優遇されてできていますから、国が守ってくれると思っていたら痛い目を見ます。


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