住友林業
在来工法NO.1の老舗ハウスメーカー!ブランドイメージは「木の匂いのする家」!
自社保有林率が一番高いことをウリにしており、国産木材を使用して「木の匂いのする家」を建てることができます(ただし標準仕様では圧縮材を使用しています)。
住宅デザインも豊富で純和風から和洋折衷、洋風からモダン、都市型住宅までと様々と取り揃えています。
在来工法(木造軸組工法)で検討する場合はもちろんですが、鉄骨で検討している方からも競合することの多いハウスメーカーです。
※標準仕様では国産ではなく外国産の木材が使われています。
住友林業の家づくりについて建築家O氏に話を伺いました。
住友林業は木造軸組構法のトップメーカー
ーハウスメーカー徹底比較編集部(以下:編):それでは大手ハウスメーカーの住友林業についてお話を伺っていきます。よろしくお願いいたします。
建築家O氏(以下:O氏):よろしくお願いします。住友林業は木造軸組構法(在来工法)のトップメーカーです。
ハウスメーカーの木造住宅には、大きく分けて、木造軸組工法(在来工法)と2×4(ツーバイフォー)工法がありますが、このうちの木造軸組構法の中でトップを走るハウスメーカーになります。
住友林業でも2×4(ツーバイフォー)工法は手がけていますが、あくまで主力商品は木造軸組み工法(在来工法)になります。
ちなみに在来工法の2大ハウスメーカーは積水ハウスのシャーウッドと、住友林業になります。
住友林業のブランドイメージは「木の匂いのする家」
ー編:住友林業は「木の匂いのする家」をブランドイメージとしていますよね。
O氏:住友林業はハウスメーカーの中で自社保有林率が一番高く、社名に「林業」という名前が付けられていることもあり、「木の家」というイメージが一般的に定着しています。
木の家志向の方から人気があり、木造住宅といったら住友林業というイメージがあるほどです。
住友林業も「木の家」というブランドイメージを狙って住宅商品を販売しています。
住友林業の家であっても、標準仕様では木の匂いはしない
ー編:実際住友林業で建てられた家は「木の匂い」はするのでしょうか?
O氏:標準仕様では、まず匂いを感じることはできないでしょうね。
木材は使われていますが、標準仕様では間違いなく一般の方が持たれているブランドイメージの「木の匂いのする家」は建てられないと思います。
木の匂いのする家はあくまで、ブランドイメージに過ぎないと思います。
もしかしたら一般の方が感じられているような嗅覚での「木の匂い」ではなく「木の印象が強い」意味合いで「木の匂い」といっているのかもしれません。
グレードを上げれば木の匂いのする家を建てられる
ー編:実際は木の香りを感じられることはできないのでしょうか?
O氏:標準仕様ではというお話です。
どうやら、グレードを上げると木の香りはするみたいですね。私は住友林業で実際に建てられた新築の住宅にお邪魔したことがないのでなんとも言えないところではありますが。
また住友林業はコストのかけかたによって随分と仕様が変わります。
例えば標準仕様では、圧縮材が使われています。
ー編:圧縮材ですか。
O氏:はい。いわゆる集成材ですね。それが悪いというわけではないのですが、一般の方が持たれているブランドイメージとのギャップはかなりあると思います。
住友林業は日本の森林を多く所有しているが実際に使われている木材は輸入材が多い
O氏:これはいっていいのかわからないですけど、住友林業は確かに日本の森林を多く所有しています。
自社保有林率は確かに高いですが、実際に家づくりの現場で使われているのは、輸入材がほとんどです。
ー編:全て国産材じゃないんですか?
O氏:違いますね。標準仕様では、外国からの輸入材が使用されています。
国産の方が品質がいいのか、それとも外国産の方が品質がいいのかという議論は別問題として考えるべきですが、実際、住友林業では家づくりの現場で使われているのが外国産が多いというのは事実です。
ハウスメーカーの注文住宅はブランドイメージだけで選ぶとギャップに戸惑う
O氏:みなさんそう仰られます。
それが先ほど私が申し上げた実際のブランドイメージとのギャップです。
広告宣伝の仕方がうまいという捉え方もできると思います。
「家づくりを失敗しないための方法はあるの?」でもお伝えしていますが、ハウスメーカーを選ぶ2つの大きな理由が「ブランドイメージ」と「営業マンの印象」ですからね。
これは昔から今に至るまで、何ら変わっていません。
コストをかければ国産材を使用して家を建てることはできる
O氏:できますよ。
例えば「MyForest」には100%国産材が使用されています。
また、今、お伝えしたのはあくまで標準仕様の場合です。ですからコストをしっかりとかけ、国産材を使用してブランドイメージの「木の匂いのする家」を建てることもできますので、そこは安心してください。
私がお話ししているのはイメージで選ぶことは大変危険だということです。
住友林業に限らず、ブランドイメージと、実際にできることとのギャップが多く戸惑うハウスメーカーも多いので、そういう点は依頼前にしっかりと確認しておく必要があると思います。
住友林業での家づくりの特徴について
ー編:住友林業の家づくりの特徴はどのような点にあるのでしょう?
O氏:まず冒頭でもお伝えしましたが、住友林業は木造軸組構法(在来工法)でトップのハウスメーカーだという点は外せません。
それを前提として考えて、住友林業ではビッグフレーム構法という独自の工法を採用しています。
住友林業のビッグフレーム工法とマルチバランス工法について
O氏:工法としては、木造軸組構法(在来工法)には変わりないのですが、柱の太さと接合部に特徴があります。
要するに柱を太くすることで、柱と柱の距離を飛ばすことができるので、最大で5.4mの大きな開口部を作ることができます。
ただし斜線制限があるところではビッグフレーム工法を採用することは難しいので注意したほうがいいでしょうね。
ー編:マルチバランス工法も採用していますよね?
O氏:マルチバランス工法もベースは木造軸組工法(在来工法)です。ただし構造用合板の代わりに「きづれパネル」という斜め格子状に組んだパネルを採用している点に特徴があります。
元々は、マルチバランス工法で勝負していましたが、現在はビッグフレーム工法が主流の工法となっています。
住友林業の住宅デザインの特徴について
ー編:デザインはどうでしょう?
O氏:社内設計をしていることも理由ですが、設計の自由度は比較的高いと思います。
ビッグフレーム工法では通し柱の必要がないため、より自由に設計をすることができます。
そこはやはり、木造軸組工法(在来工法)の木造住宅ですからね。鉄骨系メーカーと比べると、かなり自由度が高いと感じられると思います。
住友林業の家のデザインは和風から和洋折衷、モダンまで幅広い
O氏:豊富ですね。様々なデザインから選ぶことができます。
例えば純和風住宅を建てることもできますし、和洋折衷のプランもあります。
洋風、モダン、都市型住宅など様々なプランで検討できるので、住友林業は鉄骨系のハウスメーカーとも競合することが多いハウスメーカーの1つです。
元々は和風住宅から始まり、和洋折衷、洋風とデザインの幅を広げ、色々なタイプの商品を展開はしていますが、現在は都市型住宅に力を入れている印象があります。
住友林業の施工体制について
ー編:施工体制はどのようになっていますか?
O氏:住友林業では直施工部隊が4割、後の6割は外部に依頼しています。
直施工部隊というのは、いわゆる住友林業で直接ということで、外部というのは下請けの工務店などに依頼するということです。
どこのハウスメーカーもそうですが、下請け次第で家の品質は左右されることになりますので、そこは慎重になる必要があります。
住友林業と比較検討すべきハウスメーカー
ー編:住友林業の比較検討先のハウスメーカーはどこになりますか?
O氏:住友林業は積水ハウスと同じように、いろんなところと競合しているイメージがありますが、木造軸組工法に限定すれば、積水ハウスと一条工務店あたりがデザイン的にも似ているハウスメーカーなのではないかと思います。
2×4(ツーバイフォー)工法と比較するのなら、三井ホーム、三菱地所ホーム、東急ホームズあたりが比較検討先のハウスメーカーの候補として上がってくるかと思います。
ハウスメーカーでの家づくりで比較検討は絶対条件
ー編:やはり、比較検討することは絶対と言っていいのでしょうか?
O氏:私は絶対だと思っています。
比較検討をしないで、家づくりを進めるほど危険なことはありません。家は安い買い物ではなく、数千万円はする非常に大きな買い物となりますので、建てたい家を建ててくれる住宅会社にしっかりと任せるべきだと思います。
そのためには、ハウスメーカー徹底比較編集部の皆さんが推奨されている、一括してカタログを請求する方法や、一気に見積もりを取る方法なんかを上手に組み合わせて、その名の通り、徹底比較して決めていくべきだと思います。
ー編:家づくりを失敗しないためにもかけるべき手間はかけるべきですよね。
O氏:手間がかからないということは非常にいいことですが、やはり手間をかけるべきところには、手間をかけ、十分に検討して進めていくべきだと思います。
ではどのようなところに手間をかけ、時間をかけ、労力をかけるべきかというと、やはりそこは比較検討する部分です。
ハウスメーカーで検討していくと、必ずブランドイメージとのギャップは出てきますので、きちんとプランを依頼し、見積もりを取り、予算とデザイン、間取りなど総合的な面で判断していくべきだと私は思います。
ですから、家づくりを検討し始めた段階で、一括見積もりサイトを利用するのは非常に賢い進め方だと私は感じていますし、実際にやり取りを繰り返しながら、経験しながら進めていけば、より理想の家づくりに近づけていけるのではないかと思います。